【書評】お金の減らし方 / 森 博嗣 (自分のためにお金を使う)

アーリーリタイアメント

こんにちは、バフェットソローです。

小説家 森 博嗣さんの本「お金の減らし方」について紹介したいと思います。

このタイトルの額面通りの内容ではもちろん無く、”お金との付き合い方”についての考え方が述べられています。部分的ですが何度も読んでいる好きな本です。

この本の考えには、アーリーリタイアにとってとても重要な考えが述べられていると考えており、特に、人生の満足度を下げずに(むしろ上げる)節約につながると考えていますので、紹介したいと思います。

この本全体のまとめではなく、私がこの本の中でアーリーリタイア・FIREにとって重要な内容であると考えた箇所についてのみにフォーカスして記載しています。

こういう人に向いています

長期的な観点で節約をしたいと考えている人

”無駄”を減らして節約はできているが、生活があまり楽しくないと感じている人

お金を使っても人生があまり楽しいと思えない人

概要

『スカイ・クロラ』『すべてがFになる』などで有名な 森 博嗣先生が書いたお金ついての本です。

筆者の”お金”に対する考え方全体を書いています。

SB新書から出ており、新書なので1000円以下で安く買えます。

目次は下記になっています。

第1章 お金とは何か?

第2章 お金を何に使うのか

第3章 お金を増やす方法

第4章 お金がないからできない?

第5章 欲しいものを買うために

第6章 欲しいものを知るために

重要なポイント

下記が、アーリーリタイア・FIREのために、この本の中で重要であると感じた点です。

お金は、自分が欲しいものに使う。必要なものよりも、欲しいものを優先しなさい………

…….それはつまり、自分にとって価値のあるものを得るために使う、ということであり、結局は、それが自分の価値を見つける方法だ、と僕は考えている。

もう少し詳細に書くと、下記の点が重要であると感じました。

他人のためではなく、自分のためにお金を使うべき

「必要なモノ」は最小限にして、「欲しいモノ」を買う

他者依存しない、自分の欲求・価値を見つける

お金自体には意味がなく、お金は、自分がやりたいことを実現するための道具である

自分のためではなく、他人のためにお金を使っていないか?

お金を自分のためではなく、他人のために使っていないか?と説いており、自分のためにお金を使おうと言っています。

当たり前だろ?って思うかもしれませんが、”他人のため”という意味は、「他人へのプレゼント」や「奢り」ということではなく、”他人の目を気にした支出になっていないか?”という問いかけです。

僕は、自分が使いたいものや、欲しい物を買うために、お金を使っている。

そんなことは、誰でもそうだろう、と皆さんはおっしゃることだろう。しかし、僕から見ると、大勢の方は、自分のためにお金を使っていない。誰か人に見せるために使っているのである。

ネットで持ち物自慢をしたり、美味しいものを食べた、素晴らしい場所に自分はいった、当証拠写真をアップして、周囲の皆に見てもらう………人に見せる写真のために自分のお金を使っているわけであるから、人を喜ばせるためのサービスを提供しているのと同じではないだろうか。

そのため、他者を意識した支出ではなく、他者を介さない自分のための支出をしようと言っています。

ものを買う、つまりお金を減らすことは、自分が得をするための行為…..

…..その行為に及ぶ時に頭の中で想像するのは、自分の気持である。他者がどう思うのかなんで、難しい問題ではない。

これは頭では理解できても、実践は中々難しいのかとも思ってしまいます。

他者のための支出かどうかを考えるためには、下記の思考実験を提案しています。

あなたは、急にどこか山の奥へ引っ越して、誰にも会わない生活をすることになった。…..誰にも会えない、話もできない、写真を見せ合うこともできない……そうなったときに、あなたが今買う気になっている欲しいものを、どうするか、と考えてもらいたい。それを買っても、誰も見てくれない、自慢もできない、どんな反応もない。それでも、それが欲しいだろうか?

「必要なモノ」は最小限にして、「欲しいモノ」を買う

稼ぐのは何のためかというと、自分がやりたいことをするためであると述べています。当たり前のように思えますが、そうできていない人がいると述べています。それは、「必要なモノ」に対してお金を払っており、「欲しいモノ」を贅沢として後回しにしているのが問題であると述べています。

「必要」なものではなく「欲しい」ものにお金という対価を払うべきだが、「必要」なものを買ってしまう人が多く、金銭的に疲弊し、欲しいモノが買えていなく、人生の満足度が低いままであると意味していると捉えました。つまり、必要なものはできる限り我慢し、欲しいものに対して支出を回すということが重要であると述べています。

必要なものの多くは、実は絶対に必要というわけではない。なにしろ、それを買う今現在、それがなくても過ごせているからだ。一方、欲しいものは、それ自体でかなり説得力を持つ。

欲しいものは何でも買えば良い、でも必要なものはできるだけ我慢すること

下記は、結構当てはまる人多いんじゃないかと思います(私もです)

必要なものは贅沢ではない、贅沢でなければ買っても良い、今すぐに必要なのだから借金をしても良い、というふうに考える。僕は、その考え方が間違っていると思う。贅沢がいけないという理屈は、僕には理解できない。贅沢かどうかを判断することさえ、ほとんど無意味だと考えている。その判断基準の大部分は「世間体」のようなものであり、自分にとっての価値ではなく、他者から見られることを前提としたものだ。そういうものに支配されているから、贅沢はしていない、だけど必要なものはしかたがないじゃないか、という理屈を無意識のうちに構築しているのだ。結果として、分不相応なものに手を出して、将来に借金を残すことになり、大損をしてしまうのである。

このことをベースに下記記事を書きました。

自分の欲求をよく知ることが、お金を無駄にしない上で最も重要

本当に自分が欲しい物が分からないのなら、自分の価値を把握することをまずすべきであり、その上で、自分を満足させることにお金を使うべきであると述べています。そして、それが節約にも繋がると言っています。

ただ、他者依存しない、自分の欲求・価値を見つけることが重要であると述べています。

自分が欲しいものをしっかりと把握している人は、それに向かうアプローチを考えるし、無駄なものにお金を使わない。だから、自然にお金持ちになる。

欲しい物がない人は、そんなにほしくないものに手を出してしまうから、お金を失いがちである

できるかぎり、他者に依存しないものを、自分の人生の目標とするを、ぜひおすすめしたい。

お金自体には意味がなく、お金によって交換されるモノに意味がある

お金自体には意味がなく、お金は、自分がやりたいことを実現するための道具であり、お金によって交換されるものに意味があると述べています。

時間とお金というのは、やりたいことをするための手段であり、そのためにエネルギーを使って、その両者を手に入れた。そのため、目的であった好きなことができるようになった、ということである。けっして逆の順番ではない

多額のお金を持っていても、なにも良いことはない。そのお金を自分が欲しいもの、やりたいことと交換しなければ、価値は生まれない。

人間の楽しみというのは、結局は自己満足なのだ。自分が満足できる状況へ自分を導くことが、つまり人生の目的であり、すなわち「成功」というものである。そのためには、お金は頼もしい道具だといえる。これを利用しない手はない。

アーリーリタイア・FIREにおいても、究極的にはお金が重要なのではなく、労働収入が無くともいきていくことが目的であり、さらに言えば、自分がやりたいことをするための時間・精神的な余裕がほしいというのが目的であり、アーリーリタイア・FIREへの必要金額に囚われすぎてしまうと、本質を見失ってしまう可能性があると感じました。

他にも、、、、

本記事の趣旨とずれるため割愛した箇所が多いですが、他にも下記の内容が印象に残りました

多くの人は、「時間」や「お金」が不足しているから自分のやりたいことが実行できない、と言い訳するのであるが、実は、本当にやりたいことがわからない人である場合が非常に多い

「価値」を知る体験こそが、価値を生むのである

その品物に価値を見出したから、自分のお金と交換することを決意し、購入するのである。そうではなく、また将来売れるだろう、値が上がるだろう、と見込んで買う、というのは、「自分にとっての価値」とは違うものに、判断が囚われている結果と言えないだろうか

ストレス解消にお金を使って何が悪いのか、とおっしゃるかもしれない。悪いとは言っていない。ストレスを解消することが、あなたがしたかったことですか?本当に、それが欲しかったのですか?そうきいているだけである。

1000円以下で買えるので、非常におすすめです。

ではでは。

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